何を食べるかよりも胃のコンディションが重要

「アンチエイジングのためにアーモンドを食べよう」とか「冷え性を改善させたいので生姜を食べようかな」と考える方は多いですが、その食べ物が上手に消化吸収できるコンディションなのか?ここを同時に考えておかないと、その工夫は無駄になるかもしれません。

「カラダは食べたもので出来ている」と言いますが、正確に言うと「消化吸収されたもので出来ている」のです。

そこで今回は、消化吸収の要である胃のコンディションを整える方法をお伝えしていきます!

胃の仕事

胃は分解、消毒、貯蔵の3つの仕事をしてくれています。

その仕事をする時に大変重要なものが胃液です。

食物の殺菌とビタミンやミネラルを吸収しやすくするための胃酸、タンパク質を分解する為の消化酵素、胃壁を守るための粘液が合わさったもの胃液と呼びます。

例えば、貧血を改善させたくて週に3回レバーを食べているとします。

だけど、胃液が少ないとレバーに含まれている鉄分、タンパク質は上手く利用されない可能性があるということです。

胃が弱い日本人

そもそも日本人は胃が弱い人が多い事実はご存知でしょうか?

日本人と欧米人を比較すると 2 つの特徴があるといわれており、その 1つは欧米人より酸分泌能が低く 1/3 程度しかないことです。

2つ目は、欧米での検討では高齢となっても胃酸分泌能はあまり低下しないが、日本人は年齢とともに胃酸分泌能が低下するという点です。

これは、風土や食文化の違いもあるので、比べても仕方がないのでは?と感じる部分もありますが、胃液の分泌が少なくない人種であることは間違いないのです。

未来にどんな問題が?

「胃が弱い方なんです」とさらっと言う方もいらっしゃいますが、今のうちにトレーニングしておく必要があります。

なぜなら、美容面はもちろん健康寿命にまで関わってくるからです。

胃液の分泌量が減少し食が細くなると、必要な栄養が摂れなくなってくるのです。

ココから、すこし想像してみてください。

あなたは、歳を重ねるごとに、お肉や魚を避けるようになりました。

良質なタンパク質が摂取出来ないので、肌や筋肉のハリがなくなくなり、髪の毛や爪はパサつき、血流量は減って体温が上がらず冷えがちになってきました。

月日が経つごとに、歩くことや階段を上がることがしんどくなり、寝転んでTVを観る時間が長くなって、やがては立ち上がることさえ面倒くさいと感じるようになり、家族から介護の申請を促されるようになる。

実際、このような方は日本に溢れています。

この様な状況を予防するために、運動を行なうシニア世代が増えてきましたが、運動に意識を向けるよりも、30代や40代の今から食べ方に意識を向けて置くことが大切なのです!

なぜなら、シニアになって運動をいくら頑張っても、その後に筋肉を維持させるための栄養が吸収できなければ、運動をすることはダメージを受けていることにしかならないのです。

お肉が食べれなくても、サプリメントやプロテインで補えばいいとおっしゃる方もいますが、胃液が十分出ていないとそれさえ吸収率が落ちるのです。

胃液を出せる体でいるということは、若々しい容姿を保つことはもちろん、ピンピンコロリを達成するためにも重要なのです。

長寿世界No1の日本に生まれた覚悟を持たないといけない!

日頃からできる改善方法

では、ここからは胃液を出す方法を3つお伝えします!

梅干しを食べる

食事の前に梅干しを食べると唾液も胃液も分泌しやすくなります。

梅干しを想像しただけでも、じわっと唾液が溢れてきますよね!

要するにこれは、食べる準備を整えてると言いかえることが出来ます。

なぜなら、唾液も消化を担っている大切な体液だからです。

梅干しが苦手な方は、リンゴ酢を水で5倍ほど希釈し飲むのもOKです!(一口くらいでいいです)

また、海外ではミントやパセリの葉っぱをかじる方法もあります。

とにかく、食べる前に胃液分泌を促すということがキーポイントです。

よく噛む

当たり前のことですが、よく噛まないと胃に負担をかけます。

実は、食べ物を飲み込んだ5秒後に、食べ物は胃に到着します。

あまり噛まずに飲み込むと、胃が食べ物を分解する手間が増え負担となります。

それに、唾液を出さないのはモッタイナイ!

なぜなら、唾液には様々な酵素が含まれており、特にペルオキシターゼは活性酸素消去酵素が含まれている。

だから、よく噛むことはアンチエイジングにつながるとも言えるのです。

一口30回噛むことを目安に食べていくことをおすすめします。

しかし、食事中ずっと意識するのは難しいと思う方は、はじめの一口目だけは必ず30回噛む様にしてみてください。

和やかに食べる

胃液分泌を増やすのが副交感神経で、減らすのは交感神経となっています。

交感神経は、戦うor逃げるかを迫られた時に活性化する神経。

つまり、興奮していたりストレスがかかっている状況では、交感神経が活性化し胃液分泌が抑制されるのです。

なので、仕事をしながら食べたり、子どもにイライラしながら食べたり、ネガティブなニュースを見ながらの食事は、胃液で潤っていない胃へ食べ物を放り込み、胃を痛める要因になります。

また、その様な状況では胃液が少ないため、栄養バランスにこだわった食材も思っている以上に吸収されていないかもしれません。

だから、何も食べるかよりも、どう食べるかが大切

副交感神経が優位になるように、落ちついた気持ち、心地よい環境、明らめて気にしない心で食してほしいと思います。

まとめ

和食は今では世界が注目する健康食になっています。

アメリカではTOHU、MATCHAがブームで、イタリアではSHIRATAKIがグルテンフリー食品として注目を浴びているとネットニュースで見ました。

このように和食が注目されている理由は、食材の持つ成分に注目されているからだと思います。

そして、健康に良いというエビデンスがたくさんあるからだと思います。

だけど、和食の本当の素晴らしさは、ちゃぶ台を囲んで和やかに食べる雰囲気にあると僕は感じています。

どんな研究をしても、数字に出来ない和やかな空気感が和食の真髄ではないかと。

このブログでも「胃が弱い日本人」と書きましたが、胃液を分泌しにくい体質は、和やかに食べるための特徴ではないか?と感じるほどです。

多くの方は若々しくあろう、健康であろうと思い健康情報に右往左往してしまうが、見落としてはいけない部分は元々ある機能をうまく使えているかどうか

十分に歯を使えているか? 胃液は出せているか? 食べる環境は心地よいか?

まずはこのあたりを意識を向けていくことが大切です。

私たちは完璧にできている!今あるものを活かすだけ!

参考:Collen MJ, Abdulian JD, Chen YK. Age does not affect basal gastric acid secretion in normal subjects or in patients with acid-peptic disease. Am J Gastroenterol. 1994 May;89(5):712-6. PMID: 8172143.

Feldman M, Cryer B, McArthur KE, Huet BA, Lee E. Effects of aging and gastritis on gastric acid and pepsin secretion in humans: a prospective study. Gastroenterology. 1996 Apr;110(4):1043-52. doi: 10.1053/gast.1996.v110.pm8612992. PMID: 8612992.

Ishimura N, Owada Y, Aimi M, Oshima T, Kamada T, Inoue K, Mikami H, Takeuchi T, Miwa H, Higuchi K, Kinoshita Y. No increase in gastric acid secretion in healthy Japanese over the past two decades. J Gastroenterol. 2015 Aug;50(8):844-52. doi: 10.1007/s00535-014-1027-y. Epub 2014 Dec 14. PMID: 25501288.

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